コンテストやファッションショーでウォーキングをするときに欠かせないのが、普段よりかなり高さのあるハイヒール。
見た目の美しさはもちろん大切ですが、高いヒールで歩くためには「とにかく足裏を鍛える」「ヒールに慣れる」だけではなく、靴そのものとの相性や、身体全体の使い方も大きく関係してきます。
私自身もコンテスト用のハイヒールをいくつか試してきましたが、実際に履いてみると、ヒールの高さだけではなく、靴の構造や足裏の感覚、ストラップ、前滑りのしやすさなど、気になるポイントがたくさんあります。
今回は、これまで私が使用してきた靴と、ウォーキング仲間の実際の愛用シューズもご紹介しながら、コンテスト用ハイヒールについて考えてみます。
現在は販売終了……私が愛用していたGlowish

以前、私が使用していたのがGlowishのコンテスト用ヒールです。
14cmというかなり高いヒールですが、足首をストラップで固定でき、足裏にはクッションが入っていたため、私には比較的履きやすく感じられました。
ベージュとシルバーの2足を購入し、レッスンの仕上げやウォーキング・ポージングの練習などで使用していました。
高いヒールを履くと目線がぐっと高くなり、普段とはまったく違う感覚になります。
ターンやポーズ、間の取り方など、いつものウォーキングとは違う表現に挑戦できるのも、コンテスト用ヒールの面白さです。
ただし、残念ながらこのモデルは現在販売終了となっています。
新しく聞いた「プリーザー」の履き心地

今回、ウォーキング仲間のはるなさんに「コンテストではどんなヒールを履いていますか?」と聞いたところ、教えてもらったのが「Pleaser(プリーザー)」のサンダルタイプでした。
ヒールの高さは約15.5cmとのこと。
かなり高いヒールですが、はるなさんが気に入っている理由は、単純に「高くても歩きやすい」ということだけではありません。
特に気に入っているのが、
・ヒールとソールが一体になった構造
・中敷きがふわっとした感触
・足が靴の中で動きすぎにくい感覚
なのだそう。
ハイヒールは、靴のしなりや足の前滑りによって、ぐらつきや足先の負担を感じることがあります。
そのため、靴そのものの構造が自分の足に合っているかどうかは、とても重要なポイントになりそうです。
また、素足で履く場合には、足裏が汗をかいたときの「滑り」も気になるところ。
これは実際に履いてみないと分からない部分ですね。
※こちらは、はるなさん個人の使用感・感想です。
「ハイヒールがつらい=足裏の筋肉が弱い」だけではありません
ハイヒールについて話していると、
「足首が硬いから」
「足裏の筋肉が弱いから」
「普段からヒールを履いていないから」
というように、原因を一つに絞って考えたくなることがあります。
もちろん、足首の可動性や足部の筋肉、ヒールへの慣れは関係します。
一方で、私自身は、それだけでは説明できないと感じています。
特に高いヒールを履いていると、足元だけで身体を支えている感覚ではありません。
骨盤の位置、腹部、背中、腰まわり、脚全体など、身体を安定させるために全身を使っている感覚があります。
実際、高いヒールを履くことで、足首や膝の動きだけでなく、足裏の圧力分布、身体の重心、バランス、筋肉の使い方などにも変化が起こることが報告されています。
そのため私は、ハイヒールを「足だけの問題」として考えないことが大切だと思っています。
前滑りは「仕方がない」だけでも「踵重心」だけでもない
ハイヒールでは、どうしても身体が前方へ傾きやすく、足裏の圧力も前足部に移りやすくなります。
そのため、ある程度の前滑りが起こること自体は珍しくありません。
はるなさんは、靴を履くときに「踵をトントン」として、踵がヒールの位置にしっかり収まるようにすることを勧めています。
これは靴を正しく履くための一つの方法として、参考になります。
ただ、私は前滑りについても、一つの原因だけで判断しないほうがよいと思っています。
たとえば、
・靴のアーチと自分の足のアーチが合っているか
・土踏まずが浮いていないか
・足の甲の高さとストラップが合っているか
・つま先部分の幅が足に合っているか
・中敷きの素材や形状が合っているか
・足首や足指がどう使われているか
など、いくつもの要素が重なります。
同じ靴でも、ある人には履きやすく、別の人には前滑りがひどいということもあります。
「このメーカーだから正解」ではなく、自分の足との相性を見ることが大切です。
高いヒールは「慣れれば大丈夫」でもありません
高いヒールを履く練習をしていると、「もっと履いて慣れなければ」と思ってしまいがちです。
もちろん、ある程度慣れることは必要です。
でも、足や身体が疲れている状態で無理を続けることとは別問題。
高いヒールでは、足首・膝・足部だけでなく、身体全体の力学やバランスも変化します。
だからこそ私は、
履く練習と、休ませることの両方が必要
だと考えています。
「休めば根本的な問題が解決する」という意味ではありません。
痛みや強い疲労がある状態で無理を重ねないことも、ハイヒールと長く付き合うための大切な方法です。
コンテスト用ヒールを選ぶときに見てほしいポイント
コンテスト用のハイヒールを選ぶときは、「何cmあるか」だけで決めないことをおすすめします。
1.ヒールとソールの構造
ヒール部分のぐらつきや、靴全体の安定感を確認しましょう。
2.足裏の感触
クッション性や中敷きの素材は、長時間履いたときの感覚に影響します。
3.足首・甲の固定
ストラップなどで足を適度に固定できるかどうかも重要です。
4.前滑り
試着したときに、つま先に強く負担がかからないか確認しましょう。
5.自分の足との相性
アーチ、足幅、甲の高さ、足指の状態など、自分の足に合っているかを見ること。
6.実際に歩いてみる
立っているだけでは分からないことがあります。
まっすぐ歩く、止まる、ターンする、ポーズを取るなど、実際のコンテスト動作をしてみて、身体が無理なく使えるかを確認しましょう。
コンテスト用ヒールのご紹介(3ブランド)
Pleaser(プリーザー)

▶Pleaserサンダルタイプ(amazonリンク)
ウォーキング仲間のはるなさんが愛用しているサンダルタイプ。
ヒールは約15.5cm。
「ヒールとソールが一体になった構造」「ふわっとした中敷き」「足裏の滑りにくさ」が気に入っているとのことでした。
コンテスト用の高いヒールを探している方は、候補の一つとしてチェックしてみてもよいかもしれません。
プリーザーは、カラー・甲のデザイン・ヒールの高さなどが非常に豊富です。生徒さんにも履いている方が多いと感じます。
留め具が、バックル式クロージャー(ベルトのように穴にはめ込むタイプ)なので、本番で靴が脱げる心配はなさそうで安心ですね。
なお、このタイプのような、十字架ストラップは、足首のホールドが弱い傾向にあるので、生徒さんによっては足が前に滑って本来の足幅の位置が靴の足幅の広い位置に収まらず、つま先が詰まっている方がいらっしゃるようにお見受けします。
※商品のモデル、仕様、在庫などは変更される場合があります。使用感には個人差があります。
benedetta(ベネデッタ)

2021年グローバルユニティジャパンのグランプリ決定戦で、特別賞を受賞された生徒さんがが履かれていたbenedettaの14cmヒールです。
ヒールの高さやデザイン、カラーなど選択肢があるため、自分の用途に合わせて探しやすいのが特徴。コンテストだけでなく、ドレスに合わせるヒールを探している方にも参考になります。
なお、個人的には1万円以下の安いヒール靴はおすすめしません。やはり、使用している材質の品質が悪かったりソールの形状が単調で足裏にフィットしにくいと感じるためです。とはいえ、なぜかコンテストヒールで数万円以上のよい製品はなかなかないものです。
〔参考〕benedettaはじめ、各種ブランドヒール靴、ドレスなどを扱うショップ
▶Dress shop make cat Black(ドレス ショップ メイクキャットブラック)
※商品情報は購入前に販売元で最新情報をご確認ください。
Glowish(販売終了)

以前私が愛用していた14cmヒール。以前一緒にウォーキング講師養成講座を受講していた先生が「猛烈に履きやすい14cmヒール」としてInstagramで紹介していたので、使用していました。
足首ストラップとクッション性のある足裏がまぁまぁ気に入っていましたが、現在は製造・販売が終了しています。
少しだけ難なのは、私にとっては小指がうまく入ってくれないことがあること。また、ストラップがスナップ式クロージャ―(凹凸部分をパチッと留めるボタン式)なので、本番のときに外れてしまわないだろうか?と不安がよぎることくらいでしょうか。
これから購入する場合は、似た構造のコンテスト用ヒールを探す際の参考としてご覧ください。
大切なのは「高いヒールを履くこと」ではなく、美しく身体を使えること
コンテスト用ヒールは、普通の靴とは違います。
高ければ高いほど良いわけでもなく、人気のブランドなら誰にでも合うわけでもありません。
足首、足裏、膝、骨盤、体幹、姿勢、そして靴との相性。
いろいろな要素が合わさって、初めて「その人にとって歩きやすいヒール」になります。
そして、コンテストウォーキングでは、ただ転ばずに歩ければよいわけではありません。
美しく、しなやかに、余裕を持って歩くためには、靴に身体を合わせるだけではなく、身体の使い方そのものを身につけることが大切です。
Walking Beauty Schoolでは、ハイヒールウォーキングだけでなく、姿勢・身体の軸・足の運び・ストップ・ターン・ポージングまで、全身を使った美しいウォーキングをレッスンしています。
「ハイヒールを履くと膝が曲がってしまう」
「前滑りしてつま先が痛い」
「ヒールで歩くと身体がぐらつく」
「もっと美しく、余裕を持って歩きたい」
そんな方は、靴だけを変えるのではなく、一度ご自身の身体の使い方も見直してみてください。



